【切れる原因はガットじゃない?】ラケットの特性から来るものかもしれません!ーハードヒットはご注意をー

テニス中に「ガット切れちゃったー」なんて言ってみたい。

私は一度もガットが切れたことがない。

というお話しを聞くことが多いですが、反対にガットが切れすぎて困っている方もいらっしゃいます。

 

以前、当店併設のオートテニスで

張り替えたばかりのラケットで180球くらいを練習されました。

時間にして20分ほどです。

 

ハウスにお戻りになるとなんともうガットが切れてしまっている。

当店で張り替えて、1週間後に来店されてまた20分ほどでまた切れてしまう。

 

お客様は男性の一般プレーヤー。

ロール(200m)ガットをお持ちで、「よく切れるので買いました。」ということでした。

 

切れる箇所もスイートスポットのど真ん中。

フレーム付近でミスショットして切れたりすることはありますが、そうではなくしっかり打球し、ノッチ(縦横が重なる部分で生じる溝)ができて切れていました。

 

一時はかなり出回っていました「スピンラケット」

ウイルソン・プリンス・ヘッドを中心で、スピン量が飛躍的にUPするラケットのことです。

 

このスピン量UPの仕組みはストリングパターンにあります。

▼ウイルソン Burn100LS ストリングパターン18×16

横糸が少ないのが見てなんとなくお分かりいただけるでしょうか。

これがスピンラケットです。

 

現在スタンダードなラケットは

16×19が最も多いです。縦糸が16本、横糸が19本という意味です。

▼バボラ ピュアドライブ 16×19

スピンがかかる仕組み「スナップバック」

呼び方はいろいろあります。

打球時に縦糸が動きボールに強く引っかかり、持ち上があることでトップスピンがかかるというようなものです。

 

横糸の本数を減らすことで縦糸への抵抗が減り、縦糸が動きやすくなります。

スピンラケットは、縦糸が本数多め、横糸の本数が少ないストリングパターンになっています。

中には16×14な~んてパターンもあります。

 

スピン量が増えるとストロークでのバウンド後に失速せず、

また跳ねる軌道となり相手からすると非常に打ちづらいボールとなります。

 

急激に落ちるような軌道を描き相手コート収まるため、

ロングアウトが減ったり、ショートアングルにコントロールすることもできテニスの幅が広がります。

 

このラケットは「スピンがどーしてもかからない方」がメインターゲット

 

というのも、横糸の本数が少ないため、

そもそもスピンを自分でかけられる人で、ボールをしっかりつぶせるハードヒッターは、

少ない本数でボールにコンタクトするので、ストリング1本にかかる負担が非常に高く、

ストリングが切れやすいんです

 

ボールをつぶしてコントロールするのがハードヒッターの特徴と言えますが、

スピンラケットは本数が少ないのでボールをつぶしにくいものになっているのです。

 

冒頭の男性プレーヤーのラケットがこのスピンラケット。

18×16というパターンでした。見た目の網目が荒く1本あたりの負担が大きそうでした。

 

▼ハードヒッター向けのヘッドグラビティ ストリングパターン18×20

プロ選手でスピンラケットを使用している選手は少ないのはこれが理由と考えられます。

ボールをつぶしにくいのは、軽いボールになってしまうので、マイナスに働くわけです。

 

ジュニアのプレーヤーからもご相談を受けます。

「ストリングを良く切るのでどうすればよいか」

とご相談いただき、ラケットを見ると16×14のストリングパターンでした。

16×19のスタンダードなラケットをおすすめするようなこともよくあります。

年齢、経験、レベルにより、ボールをしっかりと打てるようになると起きてくる話です。

 

もし一度はガットを切ってみたい!という方はぜひスピンラケットを(笑)

ストリングは細いものを選び、素材・構造は「ナイロンマルチ」にしましょう。

楽にボールが飛び・スピンもかかり楽しくプレーできますし、憧れの「ガット切れちゃったー」が実現するかもです(笑)

まとめ

少し乱暴なご案内になりますが

 

もしあなたが適切なスピンが打てるハードヒッターなら

スピンラケットよりもスタンダードなストリングパターンの方が適切でしょう。

切れるのを防ぐために、ポリエステル素材のストリングを張るよりも16×19のラケットに変更するのが本来の姿かもしれません。

 

逆にあなたがそれほどハードヒッターでないのなら

スピンラケットは、反発力も高く、楽に現代テニスのショットが打てるようになります。

 

「ガットを硬く切れないものにすればいい」という解決策はテニス肘や方などを痛める可能性もあるので注意が必要です。

一度お持ちのラケットがスピンラケットかどうかをご確認ください!