当店を併設のオートテニスには、テニス肘・五十肩や四十肩などのケガ明けの方が多くいらっしゃいます。
「いきなりテニスコートは怖いからオートテニスで徐々に慣らそうと思って」と。
すばらしいプランだと思います!
そんなお客様のラケットを見ると、一般プレーヤーなのに
ケガ前に張っていた「ポリエステル」素材のストリングが張られている。
なーんてことがよくあるんです。
よしのり
ここではあまり深堀せずにシンプルに大きく2つをあげます。
①テンションを下げる
「50ポンド」というように「ポンド」という単位を使います。
マシンでストリングを引っ張る強さを意味します。
テンションを低くする(マシンで弱めに引っ張る)ことで、打球時に網のようになったストリングがよりたわみます。
たわみが大きくなることで衝撃が少なくなり体への負担が軽減されます。
またスイートスポットと呼ばれる、ボールが当たるときによく飛ぶエリアがあります。
スイートスポットを外して打球したときは、衝撃や振動が強く、体への負担が大きくなります。
テンションを低くすることで、スイートスポットが広がります。
少しミスヒットしても体への負担が少なくなるわけです。
錦織選手は手首のケガの前後では、極端に低いテンションで張っていたそうです。
38ポンドあたりで張っている時期も長かったとか。
②衝撃の少ない柔らかいストリングにする
①のテンションを操作しても、張っているストリングの素材が硬いものでは十分とはいえません。
市販されているストリングの素材は主にこの4つ
- ナイロン(マルチ)
- ナチュラル
- ナイロン(モノ)
- ポリエステル(モノ)
カッコ()は構造についてです。
マルチは千本以上の細い糸を束ねているもの
モノは大きな1本の糸を中心にできているもの
おすすめしたいのは、1と2です。
ナイロン(マルチ)はラインナップが多く、柔らかさのバリエーションも豊富。価格も幅広くムリなく使えます。
▼ナイロンマルチの例
ナチュラルは、長く使える可能性がありますが、価格は高めとなってます。
▼ナチュラル(牛の腸)の例
どちらも衝撃・振動が少なく、テニス肘など痛みが心配なときはおすすめです。
デメリットとしては、切れやすいこと。
ハードヒッターは頻繁に張り替えることになるため、経済的に厳しいかもしれません。
4のポリエステルには気を付けて!
ショップには多くのポリエステル素材のストリンギングが揃ってます。
学生さんを中心に人気があり流行ともいえます。
▼ポリエステルの例
パッケージには「柔らかい!」などと書いてあるものも多いです。
ここでいう「柔らかい!」はあくまでもポリエステルの中での話なのです。
衝撃・振動は大きく、たわみが少ないのでスイートスポットは狭いです。
そして1~2か月ほどで伸びてしまいやすい。
無理をして打ってしまうリスクが高いといえます。
【ご提案】
理想は、まずは極端にテンションを下げます。素材もナイロンマルチへ変更。
そして体に痛みがないことを確認しながら、少しテンションを上げていく。
または素材を以前の素材に戻す。
この繰り返しです。
ストリングが切れてしまうことは二の次です。
それよりも体への負担軽減を優先して進めます。
張り替えのペースはプレー頻度にもよりますが、急がずにいきたいところです。
経済面とのご相談にもなると思いますので、ストリンガーにご相談いただきたいです。
【まとめ】
ラケットの変更やストリングの太さの変更など他にも提案できることはありますが、今回は大きく2つに絞りました。
競技者なのか、スクールメインなのか、サークルメインなのか
パワーは
プレー頻度は
レベルは
など人それぞれですので、個別でご提案する必要があります。
相談できるストリンガーを見つけて痛みのないテニスに向けて進めることが最善だと思います。